子どもに学力をつけられる学校への視点は?
「学力向上」が課題となり
「具体的にどのように取り組みを作って行けばいいのか?」
また、「取り組んでみたものの、結果がスッキリしない…」
「学力向上」がうまくいかない理由を考え、向上に必要な観点を整理して行きます。
どのような対策を出していけば良いでしょう?いくつか挙げてみると…
- 学力向上委員会を設ける
- 現状を分析する
- 弱点・課題を捜す
- 不足している力を特定する
- 指導方法改善、授業改善をする…
実際にどの方法も試してみましたが、平均点前後にとどまってしまい、ガツンとした結果にならないところが残念です…。
理由は学力向上の取り組みが全て指導者側の改善であるからです。
「教師は学んでいても、子どもが学んでいない」ということです。
指導方法の工夫や授業の改善が素晴らしいものであっても、学ぶ子どもたちの状態(モチベーションや集中状態など)も改善しなければ50%=半分の改善に過ぎないのです。
学力向上のポイントは教師と子どもで行うこと。
をセットで行わないと、ガツンとした結果に現れてこないのです。
※だからT大付属小の著名先生を講師にお招きして、授業力をアップしても結果が現れにくいのです。
こどもたちが授業で何%学んでいる?
子どもたちの授業の様子に目をむけてみましょう。
教案通りの素晴らしい授業。でもよく見ると数名の子どもたちの「望ましい発言」を中心にすすめられていないでしょうか?
練りあげられた教案ですすめていっても、一問一答で数名のみが授業の進行に参加し、のこりの子は静かに手遊びやらくがき…といった静かなる思考停止状態に陥ってしまっているかも知れません…。
よく見ると数名の子どもだけが100%の学びができていて、のこりのほとんどの子が50%も学べていないとすれば?
注目するのは、子どもたちは授業の何%を学習活動に費やしているか?ということです!
(単に板書を写すだけで学びが10%未満という子もいるのでは…)
子どもたちの3つの「全○○」で300%の学びを!
子どもたちが授業で100%の学びができていないのでは、学力がついていかないのは当然…。
理想の授業状態、最高の授業状態をイメージしてみましょう。
子どもたちが1時間の授業の中で
①全員で取り組む=ひとり残らずとりくむ
②全力を出し切る=自分の実力を出し切る
③全時間集中する=空白の時間がない。遊ばない。
状態になれば最高ではないかと思います。
3つの「全」を観点に向上させていけば、子どもの学力は伸びていくと想定できます。
こどもたちが全員、「よし!みんなで頑張るぞ-!」となり、
全力で「この時間、すごく頭を使った!」と語り、
全時間集中し「え?もうチャイム鳴った?超集中してた!」という授業の状態。
このような授業を4~6時間、毎日やりきることができれば、学力が向上しないわけがない!
ということです!
こどもが授業に「3つの全集中」できればOKということです!

3つのよびかけで「300%の学びの授業」の実現を!
では具体的にどのようにすれば授業が実現できるのか?
誰もが「300%の学びの授業」を実現するためにベストと思われるのが、『学び合い』による授業作りと思います!
「全員で!」「全力で!」「時間内で!」をすすめていくと、300%の授業ができていくことになります!
- 「全員でこの時間の目標を達成しよう!」
- 「全力で学び合い、教え合って達成しよう!」
- 「全時間集中して、時間内で達成しよう!」
先生との一問一答の一斉授業では手遊びしていた子も、目の前に学びの相手がいると遊んでいることはできません!向かい合って学びに向かわざるを得ない!思考停止の退路を断つことになります。
また、『学び合い』のもつ人間関係づくり・集団づくりの要素も学力以上に重要であるとも思われます!
『学び合い』によって、正しいコミュニケ-ションスキルも育みながら成長し、ポジティブな関わりができる学校づくりが実現できればと思います!
※「学力以前の問題」!教師がしっかり関わらなければ中学年以降、ギャング集団と化してしまう素地があればなおさらです。

まとめ 教師+子どもの取り組みをつくる
「学力向上」は、教師側の改善だけでは変化は弱く、取り組みをやめたとたん元に戻ってしまいます。こどもたちの側の改善も行っていかなけければ結果は数値的にも変化が見えにくいと予想されます。
教師側の取り組み+こども側の取り組みの両輪で学力をつくっていければよいのではと思います。教師だけで取り組む学力向上だけでは教師にコストがかかりすぎます。『学び合い』を使って、学校みんなで学力をつくっていければと思います。
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