「おさわりさん」の正体
その後、「おさわりさん」の正体が明らかになった。
8月某日のこと。
「先生!おさわりさんが出た!」
その日も女子が血相を変えて、言いに来た。
「見に行こう!」
連絡を受けたS先生は一番奥のトイレを調べていく。
フタを上げ、便座を上げてのぞきこむと…
「あ!」
便器から飛び出す虫がいた。
「つかまえた!」
バッタのような…キリギリスのような生き物。
足の長い昆虫のようだ。
「カマドウマ!」
おわかりいただけただろうか。
「おさわりさん」の正体がわかった。
便座の裏に潜んでいたカマドウマが
触覚を動かし、それが女児に触れていたのだ。
- カマドウマ
- カマドウマ科に属する昆虫。国内に14種ほど生息。 バッタの仲間に属する昆虫であるが、成虫にも翅がない。暗く、湿気がこもる場所を好む。かまどに良く出現し、背中が大きく丸まって馬の背に似ることからこの名が付いた。(昭和の子は便所の近くでよく見られるため、ベンジョコオロギと呼んでいた) 雑食性で、夜に徘徊して昆虫の死体や野菜クズなど様々な物を食べる。
北校舎の女子トイレのいちばん奥の部屋には「おさわりさん」の正体は「カマドウマ」
であった。
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